
あなたは「芋焼酎」を飲んだことはありますか?
芋のまろやかでホッとする香りが特徴の芋焼酎。寒い季節には温かいお湯で割ったお湯割り、暑い季節には炭酸で割った焼酎ハイボールなど、季節によってさまざまな飲み方を楽しめるのが芋焼酎の魅力です。
芋焼酎の選び方のポイントは何といっても「麹菌」です。詳しいことは後から説明しますが、この麹菌によって味わいの選択肢がグンと広がります。
あなたは、どの麹菌が好みなのか?どれがピッタリくるのか?
今回は、そんな芋焼酎の選び方と美味しい飲み方、そしてオススメの芋焼酎を紹介します!
芋の香りをたっぷりと楽しめる焼酎ばかりなので、素敵な家飲みのお供にしてくださいね。
それでは参りましょう!
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芋焼酎とは
芋焼酎とは、サツマイモを原料として造られるお酒のこと。焼き芋のようにホクホクとした優しい甘みが特徴で、芋のまろやかな風味を楽しめます。近年では、芋の香り高いものからフルーティーなものまで、さまざまな飲み口の芋焼酎が登場しています。
今まで芋焼酎を飲んだことがない方でも、比較的飲みやすく挑戦しやすいため、人気を集めています。
この香りや味わいの違いに大きく関係するのが「麹菌」というわけです。
また、本格焼酎全体の売上20%を誇る芋焼酎のほとんどが、日本有数のサツマイモの産地として知られる鹿児島県と宮崎県南部を中心に生産されています。
つまり、芋焼酎は鹿児島県と宮崎県が主な生産地でザ・日本製というわけです。
平成30年度から鹿児島県、宮崎県の産地において、さつまいもが腐る基腐病(もとぐされびょう)が発生し大きな問題となりました。カビの一種である糸状菌が原因とされ、さつまいもの腐敗を. 引き起こす病害です。
酒蔵としては、原料の芋が腐って仕入できないので製造できない、あるいは製造の量が大幅に減少する状態になってしまったのです。
ここ数年、国や県と農家が連携し、土壌の改良や病気に強い芋の研究など色々な対策を講じています。
農畜産業振興機構(※1)によると、鹿児島県における令和2年産サツマイモ全体の生産量は21万4700トン。そのうち46%は焼酎用原料として使用されるほど、数多くの芋焼酎が鹿児島県を始めとする九州地方で生産されているんですよ。
(※1)鹿児島県における令和2年産原料用さつまいもの生産状況などについてー農畜産業振興機構
麹菌の種類
はい、それでは麹菌について説明していきますね。
その前に麹菌の説明を簡単にしますね。
製造の最初の過程で、製麹(せいぎく)といって蒸した米に麹菌をまぶして繁殖させ麹を作る作業のことです。納豆でいえば大豆に納豆菌をまぶすと大豆に白っぽい糸のようなものができるイメージです。
その麹菌に覆われた蒸したお米を麹といいます。この麹を使って一次仕込みに移っていくんですね。このあたりの詳しい製造工程はコチラのページをご覧ください。
麹菌には黒麹菌・白麹菌・黄麹菌の3種類の麹菌があります。

つまり、芋焼酎には黒麹菌か白麹菌が主に使われているということです。どうやって酒蔵さんは選んでいるのでしょうか?これについては酒蔵さんの味に対する考え方によってまちまちです。
なので場合によっては昔は黒麹を使っていたが、今は白麹を使っている…
白麹を使っていたが、黒麹になった…
と試行錯誤している酒蔵さんもいるんですね。
また、九州では気温の高さで敬遠されていた黄麹菌も技術の進歩によって取り組む酒蔵さんも増えつつあります。
麹菌による選び方のポイント
麹菌の香りや味わいの特長は、このようになります。

あなたは、どのタイプが好みですか?
同じ芋焼酎でも、結構な違いがありますね。このポイントをおさえると芋焼酎の選び方が楽しくなると思いますよ!
芋焼酎の飲み方
芋の風味を楽しめる芋焼酎は、その時の気分や料理によって飲み方を変えられるのが魅力の一つです。麹菌の種類の特長をつかみながら飲み方を変えるのも楽しいですよね。
黒麹菌、白麹菌、黄麹菌は、お湯割りからロックまで万能で飲めますのでご安心ください。
寒い冬には、温かな湯気と一緒に芋のまろやかさが楽しめるお湯割りなかもいいです。白麹の焼酎でふんわりと飲んでもらってもOKです。
また、暑い夏には、喉を爽やかに潤すソーダ割り、いわゆる焼酎ハイボールがおすすめです。黒麹の焼酎と炭酸がピッタリです。
もちろん、芋の風味を最大限に味わえるロックや芋のクセを柔らかくしてくれる水割りも◎。黄麹はロックもあいます。
飲み方によって、焼酎が見せてくれる表情はコロコロと変わっていくので、その時その時の焼酎を楽しんでみてくださいね。
焼酎の飲み方をもっと知りたい!という方は、こちらの記事もご覧ください。
>焼酎の飲み方をわかりやすく解説|おいしい飲み方の基本から応用まで説明
オススメの芋焼酎14本
六代目百合 25度(塩田酒造)

現在六代目当主が醸すのは、塩田酒造で唯一の銘柄「六代目百合」。他の焼酎を製造することなく、一蔵一銘柄を貫いています。
黒麹をつかった六代目百合は口当たりは芋焼酎らしさを大事にし、原料であるサツマイモの香ばしさや甘みをしっかりと表現。重厚感が十分で、ロックはもちろん、水割り、お湯で割ってもサツマイモの風味を楽しめる焼酎に仕上がっています。

\鹿児島県甑島の黒麹の代表作/
伊佐美 25度(甲斐商店)

「伊佐美」は、明治32年の創業以来、一つの銘柄に真摯に向き合い続けてきた甲斐商店が醸す伝説の焼酎です。焼酎発祥の地・伊佐市で、黒麹のみを使用した手仕込みにこだわり、元祖「幻の焼酎」として名を馳せました。コガネセンガンへの強いこだわりは、基腐病による原料確保の困難さにも揺るがない、蔵元の揺るぎない信念の表れです。

\元祖幻の焼酎と人気/
玉露 本甕仕込 25度(中村酒造場)

「玉露 本甕仕込」は、明治21年の創業以来、純手造りの伝統を守り続ける中村酒造場が、昔ながらの大甕でじっくりと仕込んだ渾身の一本です。
大隅半島の契約農家が育てた黄金千貫と、霧島連峰の伏流水を用い、むろやでのモロ蓋による麹造りなど、伝統の技を頑なに守り続けることで、平成24年度熊本国税局酒類鑑評会で優等賞と鹿児島県杜氏代表賞を受賞する至高の味わいを実現しました。

\麹づくりにこだわる芋焼酎/
薩州赤兎馬 芋 25度( 濱田屋伝兵衛蔵)

明治元年、1868年創業の濱田酒造が手がける「薩州赤兎馬 芋 25度」は、『これまでにない革新的な焼酎を作りたい』という強い思いから誕生した本格芋焼酎です。
鹿児島県産のサツマイモ「黄金千貫」と穏やかで優しい国産の白麹を使用し、地元・冠岳湧水の軟水で仕込んでいます。柔らかな口当たりは、芋焼酎と思わせないくらいキレがよくスッキリとしており、サラリとした喉ごしをもたらします。

\名門濱田酒造の自信作/
三岳 25度(三岳酒造)

厳選された鹿児島県産の黄金千貫を原料としながら、白麹を使うので芋の香りは柔らかで優しい。芋焼酎の中でもクセが少なくまろやかで、芋焼酎を飲んだことがない方でも飲みやすい焼酎です。
おすすめの飲み方は、お湯割り。ロックや水割り、ソーダ割りももちろんおすすめですが、お湯で割ることで芋の豊かな風味をより一層楽しめます。

\屋久島で生まれた人気の芋焼酎/
ちらんちらん 25度(知覧醸造)

「ちらんちらん」は、知覧醸造が柑橘系の香り高いハマコマチ芋と、まろやかな黄金千貫のブレンドで生み出した革新的な芋焼酎です。
「機械で造るな、五感で造れ」という精神で、その日に収穫された新鮮な芋を即日仕込むことで、芋本来の魅力を最大限に引き出しました。TWSC2024焼酎部門で最高金賞を受賞した実力は、まさに香り系芋焼酎の新たな可能性を切り拓いています。

\香り系焼酎。ハイボールに/
薩摩の誉 25度(大山甚七商店)

「薩摩の誉」は、指宿市宮ヶ浜で150年の歴史を刻む大山甚七商店が、伝統の技を結集して醸し出した渾身の芋焼酎です。
あえてインディカ米を使用する昔ながらの製法と、代々受け継がれた和甕での仕込み、そして「仕次ぎ」という独自の原酒管理により、深い味わいを追求。「日本のハワイ」と呼ばれる温暖な気候と、唐船峡の豊かな水に育まれた地元のさつま芋が、この土地ならではの個性を生み出しています。

\指宿の完成度高き芋焼酎/
伊勢吉どん 25度(小牧醸造)

「伊勢吉どん」は、小牧醸造が1979年の製造再開時に、地元の愛称を冠して誕生した看板商品です。霊峰紫尾山の伏流水と、地元さつま町の契約農家が育てた原料米、鹿児島県産黄金千貫を使用し、創業以来受け継がれる薩摩の和甕での仕込みにより、豊潤な土の香り(Earthy)という独自の個性を実現しました。
一次・二次仕込みともに和甕で仕込むことで、幾年も住み着いた様々な菌の力が、この土地ならではの味わいを醸成しています。

\小牧の若手杜氏が挑む焼酎/
千亀女 25度(若潮酒造)

「千亀女」は、1968年に5つの蔵元の想いを結集して誕生した若潮酒造が、伝統的なかめ壺仕込みと木樽蒸留により醸す逸品です。
2003年から稼働する千刻蔵で、日本唯一の木樽蒸留器職人・津留安郎氏が、樹齢80年以上の杉材を釘を使わず竹の帯だけで組み上げた蒸留器を用い、貯蔵酒とのブレンドにより深いコクを引き出しています。

\昔ながらの甕仕込み焼酎/
鶴見 25度(大石酒造)

「鶴見」は、明治32年創業の大石酒造が守り続ける代表銘柄です。シベリアから阿久根に飛来する鶴を眺めながら焼酎を愛した初代長次郎の想いを受け継ぎ、シャープな辛口感とふくいくとしたさつま芋の甘み、香ばしい香りという独自の個性を追求。
120年以上にわたり、「昔ながらの芋焼酎」としての誇りを守り続けています。

\知る人が知る人気の焼酎/
園乃露 25度(植薗酒造)

「園乃露」は、竹の里として知られる鹿児島県さつま町で、代々焼酎造りを受け継ぐ植園酒造が醸す渾身の一本です。
北薩摩産の良質なさつま芋と紫尾山麓の湧水を用い、昔ながらの石蔵での甕仕込みにより、伝統の技と品質を追求。職人気質の植園正人氏が蔵元兼杜氏として、古きを学び新しきを求める姿勢で丹精込めて仕上げた逸品です。

\鹿児島県人の通の焼酎/
さつま 25度(佐藤酒造)

「さつま白」は、名門「佐藤」で知られる佐藤酒造が、地元の人々への想いを込めて造り続ける看板商品です。霧島の大自然が育んださつま芋を白麹で仕込み、1832年に発見された名水「霧島の関平鉱泉水」を割り水として使用。
ミネラル豊富な中硬水と白麹仕込みの特徴が調和することで、柔らかな風味と優しい味わいを実現しました。地元の原料と名水を活かした、まさに霧島の誇りといえる逸品です。

\佐藤酒造のレギュラー焼酎/
GLOW EP05 25度(若潮酒造)

「GLOW EP05」は、基腐病の影響で予定外の品種を使用することになった偶然から生まれた、芳香豊かな芋焼酎です。その驚くべきフルーティーな香りは、酒屋が選ぶ焼酎大賞で3年連続の大賞を受賞し、初の殿堂入りを果たすほどの評価を得ています。
大型設備と高度な技術により、芋の品種や麹、酵母の特性を最大限に引き出す若潮酒造の強みが結実した逸品です。

\酒屋が選ぶ焼酎大賞3年連続/
明るい農村 25度(霧島町蒸留所)

一時期市場に出回らなくなったほど人気を博したのは、鹿児島県に蔵元を構える霧島町蒸留所の「明るい農村 25度」です。明治44年に創業してから現在まで、自然豊かな農村部で焼酎を造り続けています。
黒麹と白麹の原酒をブレンドした飲み口は、昔ながらのやや辛口風味。芋のまろやかなコクとキレを感じつつ、食中酒としても楽しめる焼酎です。

\芋の風味いっぱいの香りがいい/
さいごに
いかがでしたか?芋焼酎が飲みたくなってきたでしょうか。
余談になりますが、芋焼酎の飲み方で最高だったのは、大阪のキタ新地の料理屋さんの提供方法です。クラッシュアイスをグラス一杯に入れて、六代目百合を半分ほど入れてマドラーでクラッシュアイスをグルグルと回して少し氷を溶かします。
この水割りというかハーフロックというか最高でした。最初は少しアルコール高いんですが、時間が経つにつれてちょうどいい度合になって。今でも思い出します。
そのお店は閉店になりましたが、たまに思い出しては家で氷を割って作ったりします。みなさんも興味あれば是非試してください・・・
お相手は編集部の山本でした。
また、お会いしましょう!