芋焼酎の世界へようこそ。自然な甘みと深い香りを持つ芋焼酎は、日本が世界に誇る伝統的なお酒です。

お湯割りで冬の寒さを和らげ、ハイボールで夏の暑さを癒す—芋焼酎は四季を通じて私たちの食卓に彩りを与えてくれます。

このガイドでは、芋焼酎の基本知識から選び方、そして楽しみ方まで詳しくご紹介します。

初心者の方から愛好家の方まで、芋焼酎の奥深い魅力を再発見していただける内容となっています。

芋焼酎とは

芋焼酎は、サツマイモを主原料として造られる日本の伝統的な蒸留酒です。焼き芋を思わせるホクホクとした優しい甘みと、芋本来のまろやかな風味が特徴です。

近年では製法や原料の品種改良により、芋の香り高いものから洗練されたフルーティーな味わいのものまで、多様な芋焼酎が楽しめるようになりました。

日本の焼酎市場において、芋焼酎は全体売上の約20%を占める人気カテゴリーです。

その生産は主に鹿児島県と宮崎県南部で行われており、地域の風土と伝統技術が融合した日本独自の蒸留酒として国内外で高い評価を得ています。

平成30年度から鹿児島県、宮崎県の産地において、さつまいもが腐る基腐病(もとぐされびょう)が発生し大きな問題となりました。カビの一種である糸状菌が原因とされ、さつまいもの腐敗を. 引き起こす病害です。

酒蔵としては、原料の芋が腐って仕入できないので製造できない、あるいは製造の量が大幅に減少する状態になってしまったのです。

ここ数年、国や県と農家が連携し、土壌の改良や病気に強い芋の研究など色々な対策を講じています。

農畜産業振興機構(※1)によると、鹿児島県における令和2年産サツマイモ全体の生産量は21万4700トン。そのうち46%は焼酎用原料として使用されるほど、数多くの芋焼酎が鹿児島県を始めとする九州地方で生産されているんですよ。

(※1)鹿児島県における令和2年産原料用さつまいもの生産状況などについてー農畜産業振興機構

芋焼酎のタイプ

私は、芋焼酎を大きく分けて3つのタイプに分類しています。それぞれの特徴を知ることで、あなたの好みに合った一本を見つける手助けになるでしょう。

芋焼酎は伝統的にスッキリ系と濃厚系が二大勢力として市場を牽引してきました。しかし近年のハイボール人気と若年層の芋焼酎離れを背景に、各蔵元は新たな芋焼酎ファンを獲得するため、香り高くフルーティーな「香り系」の商品開発に注力しています。

現在の芋焼酎は大きく以下の3つのタイプに分類できるでしょう。それぞれの特徴を知ることで、あなたの好みに合った一本を見つける手助けになるはずです。

1.香り系

果実や花を思わせる華やかな香りが特徴で、芋の甘い香りが前面に出たタイプです。従来の芋焼酎のイメージを覆す、フルーティーでエレガントな味わいが若年層や女性を中心に人気を集めています。

特定のサツマイモ品種(例:アヤコマチ)や黄麹菌、ワイン酵母、茶を使用した焼酎を使った商品が多く、ハイボールやカクテルベースとしても楽しめる新世代の芋焼酎です。

2.スッキリ系

キレのある味わいと爽やかな後味が特徴で、飲み飽きしないタイプです。白麹菌を使った焼酎に多く、ソーダ割りやロックで楽しむと、そのすっきりとした味わいが一層引き立ちます。

また、鹿児島県内で愛飲されるレギュラー芋焼酎の定番として長く愛されてきた王道スタイルで、食中酒としても最適です。

3.濃厚系

芋の旨味と甘みが豊かで、深みのある味わいが特徴です。黒麹菌を使用した焼酎や古式蒸留機で造られた焼酎に多く見られます。

「芋くさ~い」芋焼酎本来の個性を強く感じられる伝統的なタイプで、お湯割りにすると芋の風味がより一層引き立ち、じっくりと味わいたい方におすすめです。

芋焼酎の選び方

サツマイモノに品種で選ぶ

さつまいもの品種は芋焼酎の個性を決める重要な要素です。同じ製法でも、使用する品種によって香りや味わいが大きく変化します。断面の色や特徴を知ることで、焼酎選びの楽しさが広がるでしょう。

品種は大きく分けて4つ。「白系」「紅系」「橙系」「紫系」があると覚えておくといいです。主な種類と特徴で商品選びの幅が広がります。

黄金千貫(こがねせんがん)

黄金千貫

鹿児島県で広く栽培される焼酎用の代表品種。コガネセンガンとも呼ばれ、外皮は白く断面は乳白色〜淡い黄色。デンプン価が20%はど高く、バランスの良い味わいを生み出します。

多くの定番芋焼酎に使用される基本となる品種です。ふだん私たちが食べる甘いサツマイモとは違ってクリのような淡泊な味わいです。白系。

ジョイホワイト

皮は淡い茶色、断面は純白色。白い肉質を持つ品種で、クセが少なく清涼感のある焼酎になります。初心者にも飲みやすい、爽やかな口当たりが特徴です。焼酎用の芋としてよく使われ、食用には適していません。白系。

紅東(べにあずま)

紅あずま

皮は赤紫色で、断面は鮮やかなクリーム色。華やかで甘い香りが特徴的な品種。フルーティーで女性にも人気があり、香り系芋焼酎に多く用いられています。食用では定番。紅系。

紅さつま

紅さつま

皮は赤紫色、断面は淡いクリーム色〜淡い黄色。芋の甘みが強く、まろやかな風味が特徴。黄金千貫より甘味が強く、優しい口当たりの焼酎に仕上がります。食用では定番。紅系。

安納芋

安納芋

皮は赤茶色、断面は黄金色〜オレンジ色。非常に糖度が高く、蜜のような甘みと華やかな香りを持つ高級品種。希少価値が高く、プレミアム焼酎に使用されることが多いです。紅系。

アヤコマチ

アヤコマチ

紫色の皮と淡い黄色の断面を持つ品種。フローラルな香りとエレガントな甘みが特徴で、上品な味わいの焼酎に仕上がります。橙系。

ハマコマチ

皮は赤褐色、断面は乳白色。塩害に強い特性を持つ品種で、海岸沿いの畑でも栽培可能。ミネラル感のあるすっきりとした味わいを焼酎に与えます。橙系。

ムラサキイモ

紫芋

紫芋は、鹿児島県の綾紫や種子島特産の種子島紫芋など、希少性が高い品種です。皮は薄い紫色、断面も紫色。紫芋の代表品種で、鮮やかな色素を持ちます。

紫色の元であるアントシアニンは、血液をサラサラにする働きや目の健康をサポートする働きがあるといわれています。フルーティーな香りと独特の風味が楽しめ、個性的な芋焼酎を生み出します。紫系。

以上、サツマイモの品種です。近年は、各蔵元がこれらの品種特性を活かした個性豊かな商品開発を進めており、単一品種にこだわった芋焼酎や、複数品種をブレンドした芋焼酎など、バリエーション豊かな製品が登場しています。

麹菌で選ぶ

麹菌は芋焼酎の味や香りを決定づける重要な要素です。製麹(せいぎく)工程で蒸した米に麹菌をまぶして繁殖させることで、糖化と発酵を促進します。

麹菌とは?

製造の最初の過程で、製麹(せいぎく)といって蒸した米に麹菌をまぶして繁殖させ麹を作る作業のことです。納豆でいえば大豆に納豆菌をまぶすと大豆に白っぽい糸のようなものができるイメージです。

その麹菌に覆われた蒸したお米を麹といいます。この麹を使って一次仕込みに移っていくんですね。このあたりの詳しい製造工程はコチラのページをご覧ください。

麹菌には黒麹菌・白麹菌・黄麹菌の3種類の麹菌があります。

  • 黒麹菌:クエン酸を多く生成し、濃厚でコクのある味わいに。芋の風味を引き立てるため、芋の個性を楽しみたい方におすすめ。
  • 白麹菌:黒麹よりもクエン酸が少なく、すっきりとした飲み口に。初めての方や飲みやすさを求める方に最適。
  • 黄麹菌:フルーティーで華やかな香りを生み出し、女性や若年層から人気。最近は技術の進歩により取り扱う蔵元も増加中。

麹菌選びは、あなたの好みのスタイルを見つける重要な手がかりとなります。すっきりとした飲み口なら白麹菌、コクのある深い味わいなら黒麹菌、香り高く華やかな焼酎を求めるなら黄麹菌を使った芋焼酎をお試しください。

酵母で選ぶ

酵母は芋焼酎の発酵過程において、糖をアルコールと二酸化炭素に変換する重要な役割を担っています。

麹菌と同様、使用する酵母によって焼酎の風味特性は大きく変化します。特に香気成分の生成に直接関わるため、最終製品の香りの質と複雑性を左右する重要な要素です。

  • 協会酵母(きょうかいこうぼ): 日本醸造協会が研究・分離し、公的機関として提供している標準酵母です。焼酎用の協会酵母は数種類あり、それぞれに番号が付けられています(焼酎用協会酵母1号、2号など)。安定した発酵を促進する標準的な酵母。バランスの良い香りと味わいに。
  • 自社酵母: 各蔵元が自社の製品特性に合わせて独自に開発・分離した酵母株です。蔵の個性や伝統を表現するために使用され、他社との差別化を図る重要な要素となっています。例えば、バナナやリンゴのような果実香、花のような華やかさ、あるいは特有のスパイシーさなど、様々な芳香成分が付与されます。
  • 野生酵母(きこうぼ): 自然界に存在する野生の酵母を活用する方法です。蔵の空気中に漂う酵母や、原料のさつまいもに付着していた酵母などを利用します。扱いが難しく発酵の安定性に課題がありますが、その土地ならではのテロワール(地域特性)を反映した複雑な風味が特徴です。いわゆる「蔵付き酵母」もこのカテゴリーに含まれます。中村酒造場さんが取り組まれています。

酵母の選択は、芋焼酎の個性を決める重要な要素の一つです。蔵元がどのような酵母を使用しているかを知ることで、あなたの好みに合った芋焼酎を見つける手がかりになるでしょう。

蒸留方法で選ぶ

芋焼酎の風味特性を決める重要な要素の一つが蒸留方法です。同じ原料と麹菌を使用していても、蒸留方法によって全く異なる味わいのプロファイルが生まれます。大きく分けて「常圧蒸留」と「減圧蒸留」の2つの方法があり、それぞれに独自の魅力があります。芋焼酎の場合は、ほとんどが常圧蒸留になります。

常圧蒸留

常圧蒸留は日本の伝統的な焼酎製造法で、通常の大気圧下(約100℃前後)で蒸留を行います。

この高温による蒸留では、さつまいもに含まれる多様な風味成分が豊富に抽出され、芋の個性が色濃く表れる濃厚なタイプの焼酎になります。

常圧蒸留によって生まれる「もろみ香」は、芋焼酎特有の個性的な香りの源であり、愛好家に高く評価されています。

常圧蒸留の芋焼酎は、芋本来の旨味とコクが強く、お湯割りにすると香りが豊かに広がります。

芋の個性や地域の特色を感じたい方、伝統的な製法にこだわる方、そして深みのある味わいを求める芋焼酎愛好家におすすめです。

減圧蒸留

減圧蒸留は比較的新しい技術で、真空に近い低圧環境を作り出し、低温(約40〜50℃)で蒸留を行う方法です。

この低温蒸留では、高温による香味成分の変質や雑味の発生が抑えられ、原料由来の繊細で軽やかな香りが保持されます。


減圧蒸留の芋焼酎は、すっきりとした飲み口と芋の自然な甘みが特徴で、冷やや水割り、ロックなど冷たい飲み方との相性が抜群です。

初めて芋焼酎を飲む方や、クセの少ない軽快な飲み口を好む方、女性や若年層の愛飲者におすすめです。

近年では、常圧蒸留と減圧蒸留の特性を活かしたブレンド製品も登場しており、双方の長所を併せ持つ新しいスタイルの芋焼酎が生まれています。

例えば、濃厚な常圧蒸留原酒に少量の減圧蒸留原酒をブレンドすることで、芋の個性を維持しながらも飲みやすさを向上させた製品などが注目を集めています。

産地で選ぶ

芋焼酎は産地によっても風味特性が異なります。それぞれの地域の気候風土、水質、製造技術、そして歴史的背景が、その土地ならではの個性ある芋焼酎を生み出しています。産地を知ることで、芋焼酎選びの幅がさらに広がるでしょう。

  • 鹿児島県北部(伊佐市、薩摩郡、薩摩川内市、阿久根周辺): 鹿児島県北部地域は、霧島連山の麓に位置し、肥沃な火山灰土壌と清冽な地下水に恵まれています。この地域の芋焼酎は、力強さの中にも上品な甘みとまろやかさを感じさせるのが特徴です。代表銘柄には、伊佐美、鶴見、園の露などがあります。
  • 鹿児島県中部(いちき串木野市、日置市、鹿児島市): 薩摩半島の西側に位置するこの地域は、温暖な気候と海からの影響を受けた環境で、独特の芋焼酎文化を育んできました。深みのある味わいながらも後味はすっきりとした芋焼酎が多いです。代表銘柄には六代目百合、大和桜などがあります。
  • 鹿児島県南部(指宿、南九州市、枕埼): 薩摩半島南部は、温暖な気候と豊かな日照量に恵まれ、さつまいもの栽培に最適な環境です。この地域の芋焼酎は、芋の甘みが豊かで、フルーティーな香りが特徴的です。代表銘柄には、武家屋敷、薩摩の誉などがあります。
  • 霧島山麓地域(霧島市、湧水町): 霧島山系の麓に広がるこの地域は、水質の良さは特筆すべきもので、軟水から中硬水まで様々な特性の芋焼酎づくりが行われています。このエリアの芋焼酎は、クリアで繊細な味わいが特徴で、特に白麹菌を使用した製品が多く見られます。代表銘柄には玉露、さつま、明るい農村などがあります。
  • 鹿児島県大隅半島(志布志、鹿屋、錦江町): 大隅半島は、鹿児島湾(錦江湾)の東側に位置し、内陸部と海岸部で異なる気候特性を持っています。この地域の芋焼酎は、黒麹菌を使用した力強い味わいの伝統的な製品が多く、深いコクと芋の旨味が特徴です。代表銘柄には、白玉の露、GLOW、丸西などがあります。
  • 種子島・屋久島エリア: 鹿児島本土から南に位置する種子島と屋久島は、独自の焼酎文化を持っています。亜熱帯気候と火山性の肥沃な土壌から生まれるさつまいもは甘みが強く、それを原料とした芋焼酎は芳醇な香りと深い味わいが特徴です。代表銘柄には、種子島の久耀、屋久島の三岳などがあります。
  • 鹿児島県奄美大島:黒糖焼酎の産地として有名ですが、本土とは異なる亜熱帯気候を活かした個性的な芋焼酎も生産されています。黒糖焼酎の製造技術を応用した芋焼酎は、独特の甘みと香りを持っています。
  • 宮崎県: 宮崎県は鹿児島県に次ぐ芋焼酎の産地で、特に県南部(串間市、日南市)と西部(小林市、えびの市)を中心に生産が盛んです。宮崎県の芋焼酎の特徴は、柔らかな口当たりとフルーティーな香りにあります。アルコール度数が20度を多いのも特徴です。代表的な銘柄には、松露、霧島などがあります。

初心者、中級、上級の愛飲歴で選ぶ

芋焼酎は奥深い魅力を持つお酒ですが、これまでの飲酒経験によって楽しみ方も変わってきます。あなたの芋焼酎との付き合い方に合わせて、最適な一本を選ぶガイドです。

  • 初心者向け:黄麹菌、白麹菌や減圧蒸留の製品。すっきりとした飲み口で、芋の香りが控えめなものがおすすめ。また、「香り系」のタイプは香りがフルーティーでソーダ割にすると、さらに飲みやすく人気です。
  • 中級者向け:白麹菌、黒麹菌や常圧蒸留の製品。芋の風味をしっかり感じられるものに挑戦してみましょう。「すっきり系」や「濃厚系」の味わいの違いを選べる楽しさが特徴です。お湯割りにすることで芋の甘みと香りがさらに引き立ち、焼酎本来の魅力を堪能できます。
  • 上級者向け:芋焼酎の深い味わいに魅了された愛好家には、より高度な製法や希少性の高い商品がおすすめです。蒸留機の違いや貯蔵方法の違いで熟成させた商品。蔵付き酵母など複雑な香りと深い味わいを楽しめます。

愛飲歴に関わらず、最終的には自分の好みが最も重要です。初心者向けとされる商品でも、その味わいに惹かれれば長く愛飲できますし、上級者向けとされる商品に早い段階で挑戦することで、新たな発見があるかもしれません。様々な芋焼酎を試しながら、あなた自身の「マイベスト」を見つける旅を楽しんでください。

オススメの芋焼酎23本

六代目百合 25度(塩田酒造)

六代目百合

現在六代目当主が醸すのは、塩田酒造で唯一の銘柄「六代目百合」。他の焼酎を製造することなく、一蔵一銘柄を貫いています。

黒麹をつかった六代目百合は口当たりは芋焼酎らしさを大事にし、原料であるサツマイモの香ばしさや甘みをしっかりと表現。重厚感が十分で、ロックはもちろん、水割り、お湯で割ってもサツマイモの風味を楽しめる焼酎に仕上がっています。

濃厚系/鹿児島中部/黒麹

4.5 out of 5 stars (4.5 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

伊佐美 25度(甲斐商店)

伊佐美

「伊佐美」は、明治32年の創業以来、一つの銘柄に真摯に向き合い続けてきた甲斐商店が醸す伝説の焼酎です。焼酎発祥の地・伊佐市で、黒麹のみを使用した手仕込みにこだわり、元祖「幻の焼酎」として名を馳せました。コガネセンガンへの強いこだわりは、基腐病による原料確保の困難さにも揺るがない、蔵元の揺るぎない信念の表れです。

濃厚系/鹿児島北部/黒麹

4.4 out of 5 stars (4.4 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

玉露 本甕仕込 25度(中村酒造場)

玉露甕

「玉露 本甕仕込」は、明治21年の創業以来、純手造りの伝統を守り続ける中村酒造場が、昔ながらの大甕でじっくりと仕込んだ渾身の一本です。

大隅半島の契約農家が育てた黄金千貫と、霧島連峰の伏流水を用い、むろやでのモロ蓋による麹造りなど、伝統の技を頑なに守り続けることで、平成24年度熊本国税局酒類鑑評会で優等賞と鹿児島県杜氏代表賞を受賞する至高の味わいを実現しました。

濃厚系/霧島山麓/白麹

4.3 out of 5 stars (4.3 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

玉露 黒 25度(中村酒造場)

玉露黒麹

「玉露 黒」は、創業以来の煉瓦蔵と霧島連峰の伏流水をシンボルとした、中村酒造の誇りを体現する芋焼酎です。

地元鹿児島の契約農家が育てた黄金千貫と、カルゲン農法による良質な新米ヒノヒカリを使用し、石造りの麹室での手造り麹、和甕での仕込みなど、昔ながらの製法を守り続けることで、黒麹仕込みならではのトロッとした円みのある味わいを実現しています。

このお酒の特徴は、黒麹仕込みによるトロッとした口当たりと、やさしい飲み口の調和にあります。生き物である麹菌と酵母をゆっくりと時間をかけて育てることで、中村酒造場ならではの優しい味わいが生まれます。

濃厚系/霧島山麓/黒麹

4 out of 5 stars (4 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

玉露 白 25度(中村酒造場)

玉露白麹

「玉露 白」は、中村酒造場が焼酎の最高峰を目指して名付けた銘柄です。黄金千貫と霧島山系の伏流水、そして白麹による丁寧な仕込みにより、力強い芋の香りとすっきりとした飲み口を実現。

石造りの麹室での手造り麹、和甕での仕込みなど、昔ながらの製法を守り続けることで、機械では表現できない優しい味わいを追求しています。

20年以上の付き合いを持つ契約農家から、カルゲン農法で育てられた良質な米を使用するなど、自然との調和を大切にした酒造りの姿勢が、この一本に結実しています。

スッキリ系/霧島山麓/白麹

4 out of 5 stars (4 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

大和桜 芋 25度( 大和桜酒造)

大和桜

「大和桜」は、伝統的な石造りの麹室による手造り麹と白麹の特性を最大限に活かした、大和桜酒造の代表銘柄です。

鹿児島県産コガネセンガンと国産米を原料に、常圧蒸留と甕仕込みにより、穏やかな口当たりと香ばしい風味を実現。熟成による角の取れた丸みのある味わいに、白麹由来の爽やかで柔らかなフルーティーな香りが調和した、スタンダードな「芋の味の焼酎」として多くの人々に愛されています。

スッキリ系/鹿児島中部/白麹

4.3 out of 5 stars (4.3 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

大和桜 紅芋 25度( 大和桜酒造)

大和桜紅芋

「大和桜 紅芋」は、甘みを十分に蓄えた鹿児島県産紅さつまを使用し、白麹仕込みと常圧蒸留によって、紅芋本来の魅力を最大限に引き出した特別な芋焼酎です。

通常の芋焼酎とは一線を画す華やかな風味と、軽やかさながらも心地よい甘みを持ち合わせ、紅芋特有の深みとボディの厚みを実現した逸品です。

香り系/鹿児島中部/白麹

4.1 out of 5 stars (4.1 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

ヤマトザクラヒカリ 芋 25度( 大和桜酒造)

ヤマトザクラヒカリ

「ヤマトザクラヒカリ」は、鹿児島県産コシヒカリを麹米に使用し、一次・二次仕込みともに甕壷で仕込むという贅沢な製法で醸された逸品です。

コシヒカリの持つ上質な旨味と、コガネセンガンの特性が絶妙に調和し、原酒を約1年間熟成させることで、芋と米それぞれの滋味深い味わいと長い余韻を実現しました。

濃厚系/鹿児島中部/白麹

4.2 out of 5 stars (4.2 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

薩州赤兎馬 芋 25度( 濱田屋伝兵衛蔵)

赤兎馬

明治元年、1868年創業の濱田酒造が手がける「薩州赤兎馬 芋 25度」は、『これまでにない革新的な焼酎を作りたい』という強い思いから誕生した本格芋焼酎です。

鹿児島県産のサツマイモ「黄金千貫」と穏やかで優しい国産の白麹を使用し、地元・冠岳湧水の軟水で仕込んでいます。柔らかな口当たりは、芋焼酎と思わせないくらいキレがよくスッキリとしており、サラリとした喉ごしをもたらします。

スッキリ系/鹿児島中部/白麹

4.2 out of 5 stars (4.2 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

三岳 25度(三岳酒造)

赤兎馬

厳選された鹿児島県産の黄金千貫を原料としながら、白麹を使うので芋の香りは柔らかで優しい。芋焼酎の中でもクセが少なくまろやかで、芋焼酎を飲んだことがない方でも飲みやすい焼酎です。

おすすめの飲み方は、お湯割り。ロックや水割り、ソーダ割りももちろんおすすめですが、お湯で割ることで芋の豊かな風味をより一層楽しめます。

スッキリ系/種子島・屋久島エリア/白麹

4.1 out of 5 stars (4.1 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

ちらんちらん 25度(知覧醸造)

ちらんちらん

「ちらんちらん」は、知覧醸造が柑橘系の香り高いハマコマチ芋と、まろやかな黄金千貫のブレンドで生み出した革新的な芋焼酎です。

「機械で造るな、五感で造れ」という精神で、その日に収穫された新鮮な芋を即日仕込むことで、芋本来の魅力を最大限に引き出しました。TWSC2024焼酎部門で最高金賞を受賞した実力は、まさに香り系芋焼酎の新たな可能性を切り拓いています。

香り系/鹿児島南部/白麹/初心者

4.3 out of 5 stars (4.3 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

知覧武家屋敷 25度(知覧醸造)

知覧武家屋敷

「知覧武家屋敷」は、大正8年創業の知覧醸造が、"機械で造るな、五感で造れ"という先代の教えを守り続けて醸す代表銘柄です。

日本一のさつまいも生産量を誇る南九州市で採れた新鮮な黄金千貫を、その日のうちに仕込む即日加工と、三角棚での伝統的な麹造りにより、上質でソフトな旨味を実現。ミネラル豊富な地下天然水による割り水で、薩摩の小京都にふさわしい品格ある味わいに仕上げています。

スッキリ系/鹿児島南部/白麹

4 out of 5 stars (4 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

知覧Tea酎 25度(知覧醸造)

Tea酎

「Tea酎」は、茶農家としても知られる知覧醸造が、60町歩もの茶畑を有する経験を活かして開発した革新的な芋焼酎です。

このお酒の特徴は、芋焼酎と知覧茶の絶妙な調和にあります。炭酸割りにすることで、お茶の爽やかな香りと芋の旨味が見事なバランスを見せ、これまでにない清々しい飲み口を楽しめます。

お湯割りも緑茶のほのかな香りと旨味を感じることができます。日本料理店での人気はもちろん、女性や健康志向の方、さらには海外からも高い評価を得ている理由が、この新しい味わいにあります。

香り系/鹿児島南部/白麹/初心者

4.2 out of 5 stars (4.2 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

知覧Tea酎ほうじ茶(知覧醸造)

Tea酎ほうじ茶

「Tea酎ほうじ茶」は、茶農家としても知られる知覧醸造が、鹿児島・知覧産一番茶を香ばしく焙煎したほうじ茶と黄金千貫を同時に仕込むという独自の製法で生み出した革新的な芋焼酎です。

ほうじ茶のロースト香と芋のふくよかな旨味を見事に調和させた味わいは、Kura Master本格焼酎・泡盛コンクール2021で高い評価を獲得。

炭酸割りでは爽やかな香ばしさと共に清々しい飲み口を、お湯割りではほうじ茶本来の深い香りと芋の旨味をより一層堪能できます。

日本料理店での人気はもちろん、女性や健康志向の方からも支持される理由が、この新しい味わいにあります。

香り系/鹿児島南部/白麹/初心者

4.1 out of 5 stars (4.1 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

薩摩の誉 25度(大山甚七商店)

薩摩の誉

「薩摩の誉」は、指宿市宮ヶ浜で150年の歴史を刻む大山甚七商店が、伝統の技を結集して醸し出した渾身の芋焼酎です。

あえてインディカ米を使用する昔ながらの製法と、代々受け継がれた和甕での仕込み、そして「仕次ぎ」という独自の原酒管理により、深い味わいを追求。「日本のハワイ」と呼ばれる温暖な気候と、唐船峡の豊かな水に育まれた地元のさつま芋が、この土地ならではの個性を生み出しています。

スッキリ系/鹿児島南部/白麹

4.3 out of 5 stars (4.3 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

伊勢吉どん 25度(小牧醸造)

伊勢吉どん

「伊勢吉どん」は、小牧醸造が1979年の製造再開時に、地元の愛称を冠して誕生した看板商品です。霊峰紫尾山の伏流水と、地元さつま町の契約農家が育てた原料米、鹿児島県産黄金千貫を使用し、創業以来受け継がれる薩摩の和甕での仕込みにより、豊潤な土の香り(Earthy)という独自の個性を実現しました。

一次・二次仕込みともに和甕で仕込むことで、幾年も住み着いた様々な菌の力が、この土地ならではの味わいを醸成しています。

スッキリ系/鹿児島北部/白麹

4.3 out of 5 stars (4.3 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

千亀女 25度(若潮酒造)

千亀女

「千亀女」は、1968年に5つの蔵元の想いを結集して誕生した若潮酒造が、伝統的なかめ壺仕込みと木樽蒸留により醸す逸品です。

2003年から稼働する千刻蔵で、日本唯一の木樽蒸留器職人・津留安郎氏が、樹齢80年以上の杉材を釘を使わず竹の帯だけで組み上げた蒸留器を用い、貯蔵酒とのブレンドにより深いコクを引き出しています。

濃厚系/鹿児島大隅半島/黒麹

4.1 out of 5 stars (4.1 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

鶴見 25度(大石酒造)

鶴見

「鶴見」は、明治32年創業の大石酒造が守り続ける代表銘柄です。シベリアから阿久根に飛来する鶴を眺めながら焼酎を愛した初代長次郎の想いを受け継ぎ、シャープな辛口感とふくいくとしたさつま芋の甘み、香ばしい香りという独自の個性を追求。

120年以上にわたり、「昔ながらの芋焼酎」としての誇りを守り続けています。

スッキリ系/鹿児島北部/白麹

4.2 out of 5 stars (4.2 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

園乃露 25度(植薗酒造)

園乃露

「園乃露」は、竹の里として知られる鹿児島県さつま町で、代々焼酎造りを受け継ぐ植園酒造が醸す渾身の一本です。

北薩摩産の良質なさつま芋と紫尾山麓の湧水を用い、昔ながらの石蔵での甕仕込みにより、伝統の技と品質を追求。職人気質の植園正人氏が蔵元兼杜氏として、古きを学び新しきを求める姿勢で丹精込めて仕上げた逸品です。

濃厚系/鹿児島北部/白麹

4.2 out of 5 stars (4.2 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

さつま 25度(佐藤酒造)

さつま

「さつま白」は、名門「佐藤」で知られる佐藤酒造が、地元の人々への想いを込めて造り続ける看板商品です。霧島の大自然が育んださつま芋を白麹で仕込み、1832年に発見された名水「霧島の関平鉱泉水」を割り水として使用。

ミネラル豊富な中硬水と白麹仕込みの特徴が調和することで、柔らかな風味と優しい味わいを実現しました。地元の原料と名水を活かした、まさに霧島の誇りといえる逸品です。

スッキリ系/鹿児島北部/白麹

4.2 out of 5 stars (4.2 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

GLOW EP05 25度(若潮酒造)

GLOW EP05

「GLOW EP05」は、基腐病の影響で予定外の品種を使用することになった偶然から生まれた、芳香豊かな芋焼酎です。その驚くべきフルーティーな香りは、酒屋が選ぶ焼酎大賞で3年連続の大賞を受賞し、初の殿堂入りを果たすほどの評価を得ています。

大型設備と高度な技術により、芋の品種や麹、酵母の特性を最大限に引き出す若潮酒造の強みが結実した逸品です。

香り系/鹿児島大隅半島/初心者

4.3 out of 5 stars (4.3 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

明るい農村 25度(霧島町蒸留所)

赤兎馬

一時期市場に出回らなくなったほど人気を博したのは、鹿児島県に蔵元を構える霧島町蒸留所の「明るい農村 25度」です。明治44年に創業してから現在まで、自然豊かな農村部で焼酎を造り続けています。

黒麹と白麹の原酒をブレンドした飲み口は、昔ながらのやや辛口風味。芋のまろやかなコクとキレを感じつつ、食中酒としても楽しめる焼酎です。

スッキリ系/霧島山麓地域/白麹

4.2 out of 5 stars (4.2 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

松露 25度(松露酒造

松露

松露は、1928年創業の宮崎県最南端・串間市に根差す小さな焼酎蔵、松露酒造が90年以上の歴史を通じて大切にしてきた「いつも飲めるもの」という哲学が結実した逸品です。

伝統を守りながらも様々な原料への挑戦を続ける松露酒造の原点とも言える銘柄には、「宮崎酵母」発祥の蔵としての誇りが息づいています。

力強くも洗練された味わいは、蒸した穀物の香ばしさと旨味、甘みの絶妙なバランスで表現され、鹿児島の力強さと宮崎の優しいアロマが県境の地・串間の風土を映し出します。

スッキリ系/宮崎県南部/白麹

4.2 out of 5 stars (4.2 / 5) [お酒のソムリエ編集部評]

おすすめの飲み方

芋焼酎の最大の魅力の一つは、様々な飲み方で楽しめる多様性にあります。

季節や気分、料理との相性に合わせて飲み方を変えることで、同じ銘柄でも異なる表情を楽しむことができます。ここでは、芋焼酎を最大限に楽しむための代表的な飲み方をご紹介します。

ソーダ割(焼酎ハイボール)

近年人気が高まっている爽快な飲み方です。炭酸水で割ることで、すっきりとした喉越しと軽快な飲み口が楽しめます。

焼酎2:炭酸水8程度の割合が一般的ですが、炭酸の強さや焼酎の濃さはお好みで調整してください。強炭酸で割ると爽快感が増し、弱炭酸ならまろやかさが増します。

レモンやライムなどの柑橘類を絞り入れるとさらに爽やかに、ハーブを添えると香りにアクセントが生まれます。香り系や白麹菌の芋焼酎は特にハイボールとの相性が良く、暑い季節の食前酒や食中酒として最適です。

背の高いコリンズグラスやハイボール専用グラスで提供すると、炭酸の泡立ちと香りが長持ちします。

水割り

芋焼酎の風味をソフトに楽しめる飲み方です。焼酎の個性を損なわずに、アルコール度数を和らげて飲みやすくします。

一般的な割合は焼酎4:水6〜7程度ですが、水の量を調整することで好みの濃さに仕上げられます。常温の軟水(日本の水道水が理想的)を使うと、焼酎の旨味が引き立ちます。

氷を入れず常温で飲むと芋の甘みが強く感じられ、アイス(氷を入れた水割り)にすると爽やかでクリアな味わいになります。

食事と一緒に楽しむのに最適で、白麹菌、黒麹菌どちらの芋焼酎にも合います。グラスは丸みを帯びたロックグラスやワイングラスがおすすめです。

ロック

芋焼酎本来の香りと味わいを最も直接的に楽しめる飲み方です。大きめの氷をグラスに1〜2個入れ、焼酎を注ぐだけのシンプルな飲み方ですが、その味わいは奥深いものがあります。

氷が徐々に溶けることで、時間とともに変化する味わいを楽しめるのも魅力です。特に原酒は、芋本来の香りがロックで際立ちます。甕、樽で貯蔵熟成させた芋焼酎も、ロックで飲むとその繊細な風味を堪能できます。

グラスは厚手のロックグラスが理想的で、氷は大きく透明度の高いものを使うとより香りが立ち、視覚的にも美しさが増します。

お湯割り

寒い季節に特におすすめの定番の飲み方です。芋の甘みとまろやかな風味を引き出します。

飲みやすい黄金比率は、焼酎6:お湯4、あるいは焼酎7:お湯3と言われていますが、お好みに合わせて調整してください。

温度が高すぎるとアルコール感が強くなるため、沸騰したお湯での割り方は避けるのがコツです。ポットのお湯が一番手っ取り早いでしょう。

特に黒麹菌を使用した芋焼酎は、お湯割りにすることで香りが開き、複雑な風味が広がります。

一晩から数日前に黄金比率で作った焼酎のことを前割りといいます。味わいがまろやかになり、燗で飲むのが通の飲み方と言われます。「黒千代香(くろぢょか)」と言われる直火にかけられる焼酎専用のお燗用茶器が有名です。

冬の夜長に、温かい湯気と一緒に立ち上る芋の香りは格別です。陶器のお猪口や耐熱ガラスで提供すると、温かさが長持ちします。

それぞれの飲み方には適したグラスやコップがあり、温度管理も重要です。季節や気分、一緒に楽しむ料理に合わせて飲み方を変えることで、芋焼酎の多彩な魅力を存分に味わってください。

おすすめのグラス

芋焼酎を最大限に楽しむためのグラス選びも重要です。あなたの好みに合わせて、以下のグラス選びをお試しください。

  • ストレート・ロック用:香りを楽しむために、口が少し狭まったグラスがおすすめ。
  • お湯割り用:温かさを長く保つため、厚みのある耐熱ガラスのグラスや陶器のお猪口が最適。
  • 水割り・ハイボール用:すっきりとした味わいを楽しむために、背の高いストレートグラスがおすすめ。

タイプ別のおすすめ料理

芋焼酎と料理のペアリングは、双方の個性を引き立て合う美食体験への扉を開きます。芋焼酎のタイプごとに異なる風味特性を活かした、理想的な組み合わせをご紹介します。

香り系芋焼酎とのペアリング

華やかでフルーティーな香りが特徴の香り系芋焼酎は、繊細な味わいの料理と好相性です。

  • 刺身、カルパッチョ、昆布〆など、素材の風味を活かした料理
  • 柑橘系の酸味を効かせたマリネや、トマトと水牛モッツァレラのカプレーゼ
  • グリーンサラダやシーザーサラダなど、フレッシュな野菜料理
  • 棒々鶏(バンバンジー)やピータン、海鮮春巻きなど、あっさりとした味わいの中華料理

スッキリ系芋焼酎とのペアリング

キレのある味わいと爽やかな後味が特徴のスッキリ系芋焼酎は、様々な料理とバランス良く合わせられる万能タイプです。

  • 唐揚げ、天ぷら、フライなどの揚げ物
  • 野菜炒め、焼きそば、豚の生姜焼きなど、香ばしさのある料理
  • 焼き鳥(塩)、塩焼き魚、枝豆などの塩味の効いた料理
  • タイ料理のガパオライスやベトナム料理の生春巻きなど、ハーブの香りが豊かなエスニック料理

濃厚系芋焼酎とのペアリング

芋の旨味と甘みが豊かで、深みのある味わいが特徴の濃厚系芋焼酎は、しっかりとした味わいの料理と合わせるのが基本です。

  • 豚の角煮、牛すじの煮込み、おでん
  • 豚汁、味噌煮込みうどん、鯖の味噌煮
  • 燻製チーズ、スモークサーモン、ベーコン
  • カレー、麻婆豆腐、キムチ鍋など、スパイスや唐辛子の効いた料理

芋焼酎と料理のペアリングに決まりきったルールはありません。季節や気分、その日の体調によっても、感じ方は変わってきます。

自分だけのお気に入りの組み合わせを見つける旅を楽しんでみてください。そして、芋焼酎のタイプごとの個性を知ることで、料理との出会いがより豊かなものになるでしょう。

焼酎の飲み方をもっと知りたい!という方は、こちらの記事もご覧ください。
>焼酎の飲み方をわかりやすく解説|おいしい飲み方の基本から応用まで説明

さいごに

いかがでしたか?ここまで読み進めると、芋焼酎を手に取りたくなる衝動に駆られているかもしれませんね。芋焼酎の深い魅力は、知れば知るほど増していくものです。

黒麹菌の力強さ、白麹菌のすっきりとした飲み口、黄麹菌の華やかな香り。さつまいもの品種ごとの個性や、産地による味わいの違い。

そして何より、飲み方によって表情を変える芋焼酎の多様性。すべてが芋焼酎という一つのお酒に凝縮されています。

私自身の忘れられない芋焼酎体験をお話ししましょう。大阪・北新地のとある料理屋での出会いです。

グラスいっぱいのクラッシュアイスに、六代目百合を半分ほど注ぎ、マドラーでゆっくりと氷を溶かしながらグルグルと回す──これは水割りとロックの間を行く、まさに「ハーフロック」とも呼ぶべき提供方法でした。

最初は少しアルコール感が強めですが、時間の経過とともに絶妙な濃さへと変化していく。

焼酎を知り、味わうことは、日本の食文化の奥深さを体験することでもあります。地域の気候風土、歴史、人々の知恵が一本の芋焼酎に凝縮されているのです。

ぜひ自分だけのお気に入りの一本と出会い、芋焼酎の魅力にどっぷりと浸かってみてください。

今回は編集部の山本がお届けしました。 また次回、美味しいお酒の世界でお会いしましょう!

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