お酒には、醸造酒・蒸留酒・混成酒の3種類が大きな分類として成り立っています。混成酒という意味は、酒類の中では非常に広義なものにあたります。
製造方法で言うなら、醸造酒や醸造酒の過程でできる半製品、蒸留酒等を基本のお酒として、これらを互いに混合したり、糖類や香味料、色素などを加えた酒類のことになります。
具体的な商品としては、合成清酒、みりん、リキュールなどに及びます。
この記事ではリキュールについて述べていきます。リキュールは酒税法でいえば、酒類と糖類等を原料とした酒類でエキス分が2度以上のものをいいます。ただし、清酒、合成焼酎、焼酎、みりん、ビール、果実酒、ウイスキー、発泡酒、粉末酒を除くというものです。
なので、非常に幅広い酒類になります。例えば、チューハイなどもリキュールになります。さらに蒸留酒を加えた第3のビールもその他の醸造酒(発泡性)はリキュールと表示されます。
非常にややこしいですが、それぐらい色々な商品がメーカーの努力によって開発、発売されるので、その時々で酒税法が変更されていくと言ったほうがいいのかもしれません。
今回は、リキュールの中でも、チューハイや第3のビールなどは少し省略させてもらいます。昔から世界中で造られている俗に言うカクテルに使われているリキュールを主に説明しますね。
リキュールを香味原料から分類
それでは、具体的に香味原料として4つに分類されるので下記のようにまとめてみました。
種類 | 特徴 | 代表商品 |
香草・薬草系 |
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アニゼット、アブサン、アペロール、イエーガーマイスター、ウーゾ、カンパリ、シャトリューズ、スーズ、電気ブラン、ドライブン、パスティス、ベネディクティン |
果実系 |
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梅酒、グラン・マルニエ、クレーム・ド・カシス、コアントロー、サザンカンフォート、スロー・ジン、マラスキーノ、ライチ・リキュール、リモンチェッロ |
ナッツ・種子系 | 果実の種子や豆類を用いたリキュール。コーヒー豆のように焙煎された材料が使われるものもある。重厚な風味と甘味を備えたものが多く、製菓や食後酒に向く。 | アマレット、カルーア、コーヒーリキュール、ノチェロ、ヘーゼルナッツ、マリブ |
その他 | 技術の発達に伴い製造されるようになった、比較的新しいリキュール。卵やクリーム・ヨーグルトといった、タンパク質や脂肪分を多く含む材料を使ったものが代表的である。 | ベイリーズ、ヨーグリート、ゴディバ・チョコリキュール |
リキュールの製法から分類
リキュールには様々な製法があります。通常は、香味原料から成分を抽出し、配合、熟成、仕上げの製法で造られます。
造り方としては、スピリッツやウオッカなど癖のないお酒を主体として、香味原料などを加えるといった造りが主体ですが、癖のある蒸留酒をつかったり、2種類以上の蒸留酒を混ぜたりすることもあります。
この過程で香味原料からの成分を抽出して下記の4つの製法があります。この製法を組み合わせて作るので、ここではあくまで成分の抽出する方法として分類させてもらいます。
製法 | 特徴 |
蒸留法 | ベースの蒸留酒と香味原料を混合、または水と香味原料を混合し、それを蒸留釜で蒸留して香味成分だけを残す方法。蒸留後、甘味料や着色料を加えることもある。濁りのない澄んだリキュールを作ることができ、高級なリキュールはこの方法で作られることが多い。 |
浸漬法 |
冷浸法(または冷浸漬法):ベースの蒸留酒に香味原料をそのまま漬け込んでしまう方法。浸漬期間は任意。甘味料や着色料を加えることもある。 |
温浸法(または温浸漬法):湯に香味原料を漬け込んで、湯が冷えたらベースの蒸留酒を加えておく方法。浸漬期間は任意。甘味料や着色料を加えることもある。 | |
エッセンス法 | ベースの蒸留酒に、別途抽出しておいたエッセンスオイルを加えて香りを付ける方法。香料の添加である。合成香料が用いられることもある。蒸留法や浸漬法など他の方式と併用される場合も多い。なお香料としてだけではなく、味を補うための調味料としてエッセンスオイルを加えることもある。 |
パーコレーション法 | 香味原料に、ベースの蒸留酒または水を循環させながら、香りや味を抽出する方法。コーヒーを抽出する際のパーコレータ法と似ている。加熱によって変質してしまう香味原料から成分の抽出を行う際に使用する。 |
まとめ
このページでは、主にカクテルで使われるリキュールについて説明をしました。リキュールの飲み方は、本当に多種多様です。お店でも飲めるのはもちろんですが、家飲みでカクテルを作ることもできます。
一度、創造性を膨らませてあなたのオリジナルカクテルを楽しんでみるといいかもしれませんね。