鳥飼酒造01

鳥飼酒造の歴史

鳥飼酒造

鳥飼酒造さんは、熊本県人吉市七日町の地で400年以上前から酒蔵を営んでいます。人吉市は、球磨焼酎として有名産地です。全国の米焼酎のメッカです。

 

令和2年7月の球磨川豪雨での水害では、蔵も事務所も大変な被害に遭いました。江戸時代から続く蔵も、新しい草津蒸留所も甚大な被害です。

 

蔵の歴史は平安時代に京都から熊本県人吉に移り住んだ名家「鳥飼家」が蔵元です。1800年江戸時代には醸造酒と焼酎を製造し、みりんや醤油も醸造していました。

 

1871年、明治3年に明治政府より酒造りの新免許が発行されます。1991年に吟醸香をテーマに研究開発を進めるなか熊本工業大学教授 上田誠之助氏と出会い協力いただき「吟香鳥飼」の原型が生まれました。そこからさらに研究を重ね、3年後の1994年に「吟香鳥飼」は完成しました。

 

現在も鳥飼酒造で造られているのは『吟香 鳥飼』の1銘柄だけなんです。

 

なかなか、銘柄が一つで勝負する酒蔵は珍しいですよね。これも鳥飼社長の経営戦略の大きな柱だと感じます。研究者でありながら経営者として業界や全国の若手酒蔵経営者に多くのアドバイスを発信するのも頷けます。

 

コロナ禍を経験して、これからの鳥飼酒造のお話を聞かせていただきましたが、高付加価値の商品づくりの思いがさらに拍車がかかり、今後の鳥飼酒造の成長が楽しみでなりません。

 

「年を重ねて、お酒の量が減る人に、少しでいいから飲んで満足してもらえるお酒を考えていきたい」とお話されている姿が印象的でした。

鳥飼酒造のビジョン

鳥飼酒造では
・第一に伝統的手法による事
・第二にオリジナルである事
・第三に飲まれる皆様の支持を得る事。

この三つの条件を満たす為に技術の向上を目指し、日々研究し続けています。

・第一に伝統的手法による事
焼酎の「焼」は、もろみに熱を加えるという意味です。「酎」は、濃い酒という意味です。自然で発酵させる日本酒ではアルコール度数22%まで限界です。22%以上の濃い酒を造ろうとすると蒸留しなければなりません。この蒸留のもととなるもろみを造るには温度管理の徹底が必要になります。なぜなら仕込んだ日から発酵熱で温度が上がるからです。

・第二にオリジナルである事
精米歩合58%にまで磨き上げた蒸留酒のための吟醸麹。独自の香りのもととなる吟醸麹は、含水率は1パーセント以内、麹標準温度1度以内の誤差でないと美しい香りは得られないので、厳しい基準のもとに品質管理を徹底しています。

・第三に飲まれる皆様の支持を得る事
通の酒ではなく、女性や焼酎初心者、そして焼酎好きのすべての人がおいしいと感じ、さらに焼酎通をもうならせる1本です。特に食事と一緒に飲んでもらえるお酒をイメージして造っています。誰もが料理と焼酎のハーモニーを楽しんでもらえる統一感を大切にされています。

鳥飼酒造の取り組む姿勢

球磨川

健全な森からこそ清らかな水は生まれます。

 

清流を護るためには、ひとたび人手のはいった森は自然林といえども手入れを必要としています。焼酎造りを支える美しい自然を守るため、豊かな自然をたたえた草津川を守るため、地元の渓流や山林の保全活動にも注力しています。

 

2000年に草津川流域の開発を阻止するために周辺の山林を取得し、2004年に蒸溜所を建設致しました。川を守る為、蒸溜所からの排水は全てタンクに集め処理し、川に排水は一滴も流していません。美しい川や水、自然を守るため渓流や山林の保全活動にも注力しておられるのです。

2007年、なだらかな丘の上に斧研(よきとぎ)麹蔵を建設しました。これは周囲から微生物の侵蝕を避けるためと、洗米排水を例え浄化したとしても草津川の清流に流さないことを目的としたからです。

蒸溜所、麹蔵ともに豊かな自然に囲まれています。

 

発酵の世界は自然と人間の際にあります。鳥飼社長は、醸造家の祖先は目に見えないけど確かに存在する麹菌を相手に、なんの計測器もない時代に5感のみで発酵文化を築いたとリスペクトされています。こんな時こそ、自然の動きに学びたいと考える鳥飼酒造さんに期待します。

まとめ

400年もの歴史がある熊本の米焼酎を代表する鳥飼酒造です。麹菌を大切にしたい。酒造りの環境を大切にしたい。この2つの思いを達成しようと草津川の15haの山林を取得し、「鳥飼」というブランド一つで酒造りに徹しています。

 

第一にもろみを造る温度管理を徹底し蒸留する前の仕込みを伝統的手法によって丁寧に酒造りが進められています。

 

第二にオリジナルを大切にブランド化が図られています。精米歩合58%にまで磨き上げた蒸留酒のための吟醸麹。含水率は1パーセント以内、麹標準温度1度以内の誤差でないと美しい香りを見いだせないと厳しい基準のもと品質管理を徹底しています。

第三に、鳥飼は通の酒ではなく、女性や焼酎初心者、そして焼酎好きのすべての人がおいしいと感じ、さらに焼酎通をもうならせる1本に仕上げたい意欲です。食事と一緒に飲んでもらえる酒の完成に力を注ぎます。

 

 

会社名 株式会社鳥飼酒造
代表者 鳥飼和信
住所 熊本県人吉市七日町二番地
電話 0966-22-3303
ホームページ http://torikais.com/
銘柄 鳥飼

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