球磨川最上流 長期樽熟成焼酎 大石酒造場

大石酒造場のこだわり

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大石酒造場さんは、熊本県人吉・球磨地区の焼酎蔵の中で、球磨川の最上流に位置しています。東隣は宮崎県との県境となる熊本県の水上村、球磨川の源流に酒蔵を構えておられます。

創業から150年になる歴史ある酒蔵です。

 

20年ほど前に来たときは、宮崎県に用事があるため、その県境である宮崎県の山越えを2、3時間かけて、さらに川沿いを日向市内までドライブした記憶があります。

 

さて、そんな大石酒造場さんの記憶を思い出しながらの久しぶりの訪問でした。今回訪問させていただくと、すでの息子さんがしっかりと後を継いで蔵の仕事に従事されていました。

 

対応していただいたのは、杜氏の大石ご子息。次男さんになります。大学は化学を専攻していたということで杜氏のポテンシャルには最高の実力を備えています。

 

大石酒造場さんといえば、米焼酎の樽貯蔵が強みです。樽貯蔵のきっかけは昭和50年頃、第1次の焼酎ブームで今まで製造した常圧焼酎の在庫が過剰になったそうです。その過剰在庫の焼酎をなんとかできないかと思案したなかで、社長がウイスキー好きだったことから樽貯蔵してみては?といった視点がきっかけになりました。

 

 

大石酒造場の樽熟成の取り組み

大石酒造02

 

長期熟成には、シェリー樽やコニャック樽を使用します。先ほどの話のように球磨地方の米焼酎に当初樽熟成という概念がありませんでした。しかし現在では県内でおよそ5つの蔵で熟成酒を手掛けるようになっています。

画像の左下にある薄い色の樽の450リットルと書かれた面は透明なガラスが入れられています。ということはあの面の色は中身の色ということです。ウイスキーのように茶褐色です。シェリー樽やコニャック樽で熟成させるので大体、想像ができますね。

 

熟成されると、ウイスキーのような複雑で甘い味わいや香りが、時間とともに仕上がってきます。

ただ、この茶褐色のまま米焼酎で販売することが、日本の法律上できません。それは蒸留酒の中のウイスキーと混同するためだといわれています。

これは、なんとも納得しがたい理由なのですが、まだまだ法律の整備が進まず、できるだけ早い対処を期待しております。でないと熟成焼酎が飲めません。で、どうやってこの熟成焼酎を販売するのかといいますと2つの方法があります。

ひとつは税法上お酒の色が濃ければ、色を抜いて焼酎として売る。
二つ目は、焼酎に食物繊維を入れてリキュールとして売ることになります。

 

つまり、樽で熟成された焼酎をそのままの風味で飲んでもらうには、食物繊維を入れてリキュールで販売するということです。この食物繊維は無味無臭無害の食品で、あくまで法律をクリアするための苦肉の策といえます。

 

このあたりの法整備をウイスキーのようにすれば、海外に焼酎文化の浸透がさらに広がりやすいとは思うのですが。あくまでも私の考えではありますが…

 

大石酒造場の取り組む姿勢

大石酒造03

それでは、蔵の中を案内させてもらいます。こちらは蒸し器です。

大石酒造場は、原料の米にもこだわりがあります。銘柄のひとつである「源流の蔵」の原料米は五百万石を使用しています。この原料米の特長は、なんと田んぼに鯉を放流し、その鯉に雑草や害虫を食べさせる鯉農法によって作られた珍しい米です。もちろん農薬や化学肥料は一切使いません。

 

また、ニノヒカリと吟のさと、2種類の原料米を自社栽培しています。球磨川の最上流に位置する場所だからこそ、お米も抜群の品質であること間違いなしですね。

 

大石酒造04

仕込みは、ステンレスタンクとホーローのタンクで銘柄によって仕込んでいきます。

 

大石酒造05

こちらは、減圧蒸留機になります。奥の蒸留器から蒸留されたものが手前下の蒸留器のような器に入りますが、この装置は超音波熟成装置になるんです。短時間でアルコール分子を均一に分散することができるのが特長です。

 

よく、蒸留したての焼酎で荒い感じがするのは、分子が均一ではないからです。通常は時間とともに分子が落ち着いてくるのですが、その時間を短時間でよりなめらかな酒質にするため、この器具を導入したのです。

 

下の画像は常圧蒸留器です。蒸留についての詳しい記事はコチラをご覧ください。

 

大石酒造06

 

まとめ

久しぶりに訪問させていただきましたが、球磨川沿いを北上していくと景色や空気の違いに改めて感動しました。こんな環境でできる焼酎が楽しみなことはもちろんですが、その素晴らしい環境下で何年も樽の中で熟成される焼酎が凄すぎて体が震えてくるようです。
ウイスキーブームがすさまじいですが、米焼酎の熟成焼酎がフォーカスされるよう、微力ではございますが努力を重ねていきたいと思います。
ロックで飲んでもらうのはもちろん、いつかポピュラーに炭酸割りを飲んでもらえる飲食シーンを夢見ています。一度みなさんも熟成焼酎にチャレンジしていただきたいです。

 

 

会社名 合資会社 大石酒造場
代表者 大石長一郎
住所 熊本県球磨郡水上村岩野1053
電話 0966-44-0001
ホームページ https://ohishi-shuzohjyo.jp/index.php
銘柄 大石、鬼倒、談笑中、礼世奈、源流の蔵、眠りから覚めた極上十年

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