嘉之助 HIOKI POT STILL　嘉之助蒸留所　(ウイスキー)

【鹿児島が育む蒸留の物語】
美しい夕日を望める鹿児島・日置に位置する嘉之助蒸留所は、東シナ海に面した日本の誇るクラフト蒸留所です。薩摩半島西海岸の風光明媚な土地に佇み、目の前には雄大な東シナ海、背後には矢筈岳や諸正岳といった小高い丘陵地帯が広がります。この地は東市来温泉や吹上温泉など古くからの温泉地があることからも分かるように、美しく清冽な水資源に恵まれた特別なエリアです。蒸留所が立つ吹上浜は、遠州大砂丘、鳥取砂丘と並ぶ「日本三大砂丘」の一つで、南北約47kmにも及ぶ壮大な砂浜地帯。その名は、季節風で砂が吹き上げられることに由来しています。夏は暑く、冬は厳しい寒さと吹き荒れる北西風が特徴的な寒暖差のある土地柄。この独特な風土のなか、海からの細かな飛沫が真白な霧となって蒸留所を包み込み、嘉之助ウイスキーに特別な個性を与えています。

【焼酎造りの伝統を超えて新しいジャパニーズスタイルの探求】

嘉之助 HIOKI POT STILLは、KANOSUKEの原点である「日置蒸溜蔵」から生まれた、新しいジャパニーズスタイル・ポットスチルウイスキーです。アイリッシュウイスキーやバーボンに着想を得ながらも、140年にわたって受け継がれてきた焼酎造りの伝統技術を大胆に取り入れることで、これまでにない独自の味わいを実現しています。51%という高いアルコール度数に込められた職人の自信と情熱は、伝統と革新を融合させる嘉之助蒸留所の挑戦的な姿勢を表しています。未発芽大麦と麦芽を原料に使用するという独自のアプローチは、日本の焼酎づくりの知恵を取り入れた新たなウイスキースタイルの創造であり、国際的なウイスキーの潮流にも新風を吹き込む存在となっています。力強さと優しさが共存する、他にはない個性的なウイスキーは、現代の日本から世界へ向けた新たな提案です。

【南国の恵みが結実した多彩な風味】

嘉之助 HIOKI POT STILLは、ステンレス製の6,000L×2基のポットスチル（いずれも初留・再留兼用）を使用し、未発芽大麦と麦芽を原料に単式蒸留器で丁寧に造り上げられます。こうして生まれた原酒は、アメリカンホワイトオーク新樽やバーボン樽で熟成され、深みのあるべっこう色の液体へと変化していきます。香りには、バターサンド、かぼす、あんず、梅のコンポートといった複雑で豊かな風味が広がります。口に含むと、マドレーヌを思わせる甘さにオーキーな風味が重なり、ほど良い塩味と温州みかんの爽やかな柑橘系のアクセントが調和します。余韻には、バニラ、ドライジンジャー、ニッキの香りが広がり、優しい甘さが長く続きます。吹上浜からの潮風と南国鹿児島の豊かな自然環境、そして蒸留と熟成の技術が見事に融合することで、嘉之助蒸留所ならではのメローで芳醇な味わいが生み出されています。未発芽大麦を使用する独自の製法がもたらす大胆でリッチな風味と、伝統と革新が交差する複雑な味わいをお楽しみください。