嘉之助 DOUBLE DISTILLERY　嘉之助蒸留所　(ウイスキー)

【鹿児島が育む蒸留の物語】
美しい夕日を望める鹿児島・日置に位置する嘉之助蒸留所は、東シナ海に面した日本の誇るクラフト蒸留所です。薩摩半島西海岸の風光明媚な土地に佇み、目の前には雄大な東シナ海、背後には矢筈岳や諸正岳といった小高い丘陵地帯が広がります。この地は東市来温泉や吹上温泉など古くからの温泉地があることからも分かるように、美しく清冽な水資源に恵まれた特別なエリアです。蒸留所が立つ吹上浜は、遠州大砂丘、鳥取砂丘と並ぶ「日本三大砂丘」の一つで、南北約47kmにも及ぶ壮大な砂浜地帯。その名は、季節風で砂が吹き上げられることに由来しています。夏は暑く、冬は厳しい寒さと吹き荒れる北西風が特徴的な寒暖差のある土地柄。この独特な風土のなか、海からの細かな飛沫が真白な霧となって蒸留所を包み込み、嘉之助ウイスキーに特別な個性を与えています。

【光り輝く64年目の進化】

嘉之助 DOUBLE DISTILLERYは、「世界に通用する蒸留酒を造る」という祖父・嘉之助の夢を受け継ぐ二人の兄弟とクラフトマンたちの情熱が結晶したブレンデッド・ジャパニーズウイスキーです。兄が主導する嘉之助蒸留所の「シングルモルト嘉之助」と、弟が率いる日置蒸留蔵の「嘉之助 HIOKI POT STILL」という、個性際立つ"ふたつの魂（スピリッツ）"が見事に調和しています。53%という力強いアルコール度数に込められた職人の自信と、それぞれの蒸留所が持つ独自の個性が交わることで生まれた上品でリッチな味わいは、南国鹿児島の豊かな自然環境と伝統技術の融合を表現しています。祖父の夢を形にした二人の兄弟の想いは、このプレミアムウイスキーの中に永遠に息づいています。

【匠の技が生み出す芳醇な味わい】

嘉之助蒸留所は3基のポットスチルと焼酎リチャー樽を駆使する独自の製法で、優雅さと上品さを兼ね備えた芳醇な味わいを実現しています。嘉之助蒸留所のポットスチル（銅製蒸留器）は初留釜6,000L、再留釜3,000Lと1,600Lを備え、一方の日置蒸留蔵では6,000L×2基のステンレス製ポットスチルを使用。これらの異なる特性を持つ蒸留設備が、複雑で奥行きのある風味を生み出す源となっています。べっこう色の液体からは、バニラ、ミント、レモングラス、あんず、メロン、黄桃といった豊かな香りが広がります。口に含むと、リッチな甘みの中にクローブ、紅茶、みかん、ニッキのニュアンスが重なり合い、余韻には程よいオーク感と豊かな果実香、柔らかでビターな後味が広がります。焼酎リチャー樽、アメリカンホワイトオーク新樽、バーボン樽など多様な樽による熟成と、吹上浜からの潮風、南国の豊かな自然環境が見事に調和し、嘉之助蒸留所ならではのメローな味わいを育んでいます。