ブドウについて
このロットからあらたに、レグナーをブレンドしています。オルテガは、デクスハイマーの葡萄品種の中ではエース的な存在で、毎年アウスレーゼ以上の葡萄が収穫出来ます。貴腐菌が付き、レーズン状に萎んだ状態の葡萄を、丁寧に手摘みで収穫します。
貴腐葡萄を使うTBAとBA
トロッケンベーレンアウスレーゼ(TBA)とベーレンアウスレーゼ(BA)は写真のような貴腐葡萄で造ります。ボトリティス・シネレア菌という菌が葡萄に発生することで、葡萄の実から水分が抜け、果汁の成分が濃縮されます。これによって葡萄の糖度が高まり、また特徴的な芳香を生みます。この状態を「高貴なる腐敗」と例えたことから、貴腐と名付けられています。
貴腐葡萄造りも決して簡単なものではなく、畑のケアには、2つ問題があります。1つはビネガーフライ、もう1つは野鳥の被害。ビネガーフライは近年の地球温暖化によってドイツにも表れた害虫で、葡萄の実を傷つけることで、果汁が漏れて腐敗を起こします。ハインフリートは毎日畑に出て、高貴な腐敗なのか、単に腐ってしまったのかどうか葡萄をチェックしなければなりません。また、野鳥に対しては空砲で妨害する人を雇っています。朝から日の入りまで空砲を打ってもらい追い払っています。
そして葡萄を守るだけでなく、品質を高めるために行っている作業もあります。「カビネット、シュペートレーゼ、アウスレーゼ用に一部を先に摘み取ることで残った葡萄の糖度をさらに高くする。」や「ボトリティスはなるべく後に付いたほうが良いワインが出来るので、いつもボトリティスが早くつかないように努めている。」といったハインフリート言葉には、極甘口のスペシャリストらしいこだわりが感じられます。