畑・ブドウについて
ハインフリートの一番好きな品種が、このジーガーレーベです。早熟で糖度が高く、ジーガは「勝者」の意味で、甘口のチャンピオンと言えます。この村では唯一の栽培者です。ベーレンアウスレーゼは、6月〜7月に1回葉を落とします。獣鳥の被害を防ぐため人を雇い、朝から日の入りまで空砲を打って追い払ってもらいます。一部の畑には、ネットを張ることもあります。糖度が高いものをベーレンアウスレーゼ用に残し、それ以外はカビネットからアウスレーゼ用に先に摘み取ります。それによって残った葡萄の糖度をさらに高くします。
貴腐葡萄を使うTBAとBA
トロッケンベーレンアウスレーゼ(TBA)とベーレンアウスレーゼ(BA)は写真のような貴腐葡萄で造ります。ボトリティス・シネレア菌という菌が葡萄に発生することで、葡萄の実から水分が抜け、果汁の成分が濃縮されます。これによって葡萄の糖度が高まり、また特徴的な芳香を生みます。この状態を「高貴なる腐敗」と例えたことから、貴腐と名付けられています。 貴腐葡萄造りも決して簡単なものではなく、畑のケアには、2つ問題があります。1つはビネガーフライ、もう1つは野鳥の被害。ビネガーフライは近年の地球温暖化によってドイツにも表れた害虫で、葡萄の実を傷つけることで、果汁が漏れて腐敗を起こします。ハインフリートは毎日畑に出て、高貴な腐敗なのか、単に腐ってしまったのかどうか葡萄をチェックしなければなりません。また、野鳥に対しては空砲で妨害する人を雇っています。朝から日の入りまで空砲を打ってもらい追い払っています。 そして葡萄を守るだけでなく、品質を高めるために行っている作業もあります。「カビネット、シュペートレーゼ、アウスレーゼ用に一部を先に摘み取ることで残った葡萄の糖度をさらに高くする。」や「ボトリティスはなるべく後に付いたほうが良いワインが出来るので、いつもボトリティスが早くつかないように努めている。」といったハインフリート言葉には、極甘口のスペシャリストらしいこだわりが感じられます。