国産のウイスキーが大人気ですが、最近になって国産のクラフト・ジンもジワジワと人気が上がっています。ウイスキー同様に蒸留酒なんで、ソーダ割りやジュース割りなど飲みやすさが定評になります。
海外でもジンは大人気ですが、いったい国産との違いは何でしょうか?これについては、国産メーカのサントリーは、もちろんですが、地方のこだわりの蒸溜所が手掛けていることが要因の一つといえるでしょう。
また、味わいにおいても差別化されています。というのもジンはボタニカルといった植物成分などで香りをつけるのですが、その成分が日本だけの原料を使ったりするのも要因に挙げられますね。
今回は、その各地のおいしいジャパニーズ・ジンを全国からおすすめ6本ご紹介していきます。
ジンとは
ジンは、ウォッカ、ラム、テキーラと並ぶ4大スピリッツの1つでカクテルベースとしても大活躍しています。
大麦やライ麦、ジャガイモなどを原料として造られる蒸留酒にジュニパーベリーをはじめとするボタニカル(植物成分)で香り付けされているのが特徴です。
ジュニパーベリーとは『セイヨウネズ』というヒノキ科の針葉樹で、その果実を乾燥させたものを使用します。
一言でボタニカルと言ってもそれぞれの銘柄で使われるボタニカルは非常に幅広く、世界中で様々なジンが造られています。
それぞれのジン特有の華やかな香りと個性あふれる風味が特徴で、それでいてすっきり飲める味わいが人気なのです。
ボタニカルを詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
ジンの選び方
ジンは、海外発祥の蒸留酒ですが、国によって特色があります。
国別によるジンの特長
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1.ドライ・ジン
ドライジンは「ロンドン・ドライジン」とも呼ばれていてイギリスが発祥のジンで、もっともポピュラーで世界のスタンダードとなっているジンです。
爽やかな香りでクセのない味わいなので、カクテルのベースにも多く使われ、日本で販売されているジンはほとんどがこのドライジンです。何にでも合わせやすくオススメです。
2.ジュネヴァ
ジュネヴァは主産国がオランダであることから「オランダジン」と呼ばれたり、また「イェネーフェル」と呼ばれたり呼称は様々です。
蒸留回数が1回と少ないので、ドライジンより濃厚で風味が強くコクのある味わいで、とろりとした飲み口となんとも言えない甘みが特徴です。ストレートで飲むのがオススメです。
3.シュタインヘーガー
ドイツのシュタインヘーガー村で生まれたので「シュタインヘーガー」。発酵させたジュニパーベリーを使用して造られ、ドライジンよりスッキリしていて香りも控えめ。飲みやすさが特徴で、ストレートで飲まれることが多いようです。
4.オールド・トム・ジン
連続式蒸留機はお目見えする前、まだ蒸留酒に雑味が多かった時代に雑味を抑えるため砂糖を加えて造られたイギリス生まれのジン。
現在は砂糖を添加する方法のほかに、サヨウキビ由来のスピリッツを添加する方法も行われています。甘みがあるのが特徴のジンなので、初心者にも飲みやすくてオススメです。
このように国によって特色が分かれるのですが、もうひとつジンの選び方のポイントは、ジンの原料になります。
大麦やライ麦、ジャガイモなどを原料として造られる蒸留酒で、ジュニパーベリーを主とするボタニカル(植物成分)で香り付けされているのが特徴です。
ジュニパーベリーとは『セイヨウネズ』というヒノキ科の針葉樹で、その果実を乾燥させたものです。
その他によく使用されているボタニカルは「コリアンダー」「カルダモン」「レモンピール」「リコリス」「シナモン」など。
ジャパニーズ・クラフトジンには「山椒」「ゆず」「ヒノキ」など日本的なものも使われていて、一言でボタニカルと言ってもそれぞれの銘柄で使われるボタニカルは様々です。
ジャパニーズ・クラフト・ジンのおすすめ
「六ROKU ジン」
¥4,400
(2022年11月18日での価格)
生産地 | 日本 | 甘辛度 | やや辛口 |
タイプ | ドライ・ジン | 味わい | やや淡麗 |
原料 | ジュニパーベリー等 | 香り | やや華やか |
おすすめの飲み方 | ジントニック、ジンライム | 相性のいい料理 | お寿司、うなぎのかば焼き |
日本の四季の恵みを1本に、そんな思いが込められたジャパニーズ・クラフト・ジンです。サントリーがつくるジンなのでクラフトというよりもプレミアムと呼んでもいい逸品です。
『桜花』『桜葉』『煎茶』『玉露』『山椒』『柚子』日本ならではのボタニカルを使用し、日本の四季を感じられる華やかなのに繊細な香りが特徴的で、スムースな口当たりが和食にも合わせやすく造られています。
飲み方としては、日本固有のボタニカルを使用するので、できるだけ日本料理と一緒に楽しみたくなるジンです。煎茶や玉露を取り入れているのが、なんともサントリーらしいキャラクターです。
¥11,000
(2022年7月13日の価格)
生産地 | 岩手県 | 甘辛度 | やや辛口 |
タイプ | ドライ・ジン | 味わい | やや芳醇 |
原料 | ジュニパーベリー、漆 等 | 香り | やや華やか |
おすすめの飲み方 | マティーニ、ギムレット | 相性のいい料理 | 白身魚のカルパッチョ、アンチョビのピザ |
「南部美人クラフトジン」は、岩手県・南部美人の蔵元が造るクラフト・ジン。蔵元では「南部美人の新たな挑戦」と表現しています。
南部美人がはじめて造るジンとして初回限定商品で2021本の製造です。度数が60度、容量は200mlのプレミアジンです。
蔵元にとってジンの生産そのものが挑戦かもしれませんが、さらに日本初の試みが隠されています。それはボタニカルに漆を使うこと。日本一の生産量を誇る二戸の「浄法寺漆」が使われているんですよ。漆の木を炙ることで、ウッディでスモーキーな香りを加えました。
ジュニパーのさわやかでスパイシーな香りに、炙った漆の香ばしい香りがたちます。余韻を長く楽しめるのもポイントですよ。香りを存分に味わうには、キンキンに冷やしたストレート、ロック、水割りがよさそう。リラックスタイムにもピッタリです。
「季の美 京都ドライジン」
¥4,276
(2022年11月22日での価格)
生産地 | 京都府 | 甘辛度 | やや辛口 |
タイプ | ドライ・ジン | 味わい | やや淡麗 |
原料 | ジュニパーベリー、柚子、レモン、緑茶、生姜、赤しそ、笹の葉など | 香り | やや華やか |
おすすめの飲み方 | ジントニック、ジンフィズ | 相性のいい料理 | あさりの酒蒸し、湯豆腐 |
ジュニパーベリーが効いたドライ・ジンと、「和」を融合させた他にはない味わいが楽しめますよ。ボタニカルにゆず・玉露・赤しそなど日本らしい香りを取り入れています。
11種類のボタニカルは
・ベース(ジュニパーなど)
・シトラス(柑橘)
・ティー(玉露)
・スパイス(生姜)
・フルーティー&フローラル(赤しそ・笹の葉)
・ハーバル(山椒の実・木の芽)
と特性に応じて分けて、別に蒸留しています。
さらに、やわらかな伏見の伏流水を使い熟成させることで味を落ち着かせています。
ドライ・ジンのクリアでキリっとした中に、京都の優美な雰囲気が漂います。食事との相性もよく、和食・洋食とジャンルを問わず楽しめます。
「和美人」
¥4,180
(2022年11月22日での価格)
生産地 | 鹿児島県 | 甘辛度 | やや辛口 |
タイプ | ドライ・ジン | 味わい | やや淡麗 |
原料 | 子、へつかだいだい、レモン、きんかん、けせん、月桃、緑茶、生姜、しそ | 香り | やや華やか |
おすすめの飲み方 | ジントニック、ジンバック | 相性のいい料理 | さつまあげ、マグロの漬け丼 |
鹿児島で芋焼酎を手掛ける本坊酒造が造るジャパニーズジンです。本坊酒造は焼酎だけではなく、信州にてマルスウイスキーやワインも扱うメジャーメーカーです。知る人ぞ知るこだわりの酒造メーカーです。
和美人の製造所は、鹿児島の南西の山あいにあります。この場所は本坊酒造の発祥の地です。現在でに焼酎蔵やウイスキーの醸造所も同じエリアで製造されています。
和美人の特長は、なんといっても9種類のボタニカルでしょう。柚子、へつかだいだい、レモン、きんかん、けせん、月桃、緑茶、生姜、しそ。すべて鹿児島県産の食物をつかって蒸留されています。
飲み方としては、ここは鹿児島のクラフトジンなので、練り物であるさつまあげやマグロの漬けなどと合わせて飲んでもらうとジンがさらに美味しく感じます。
「桜尾ジン オリジナル」
¥2,200
(2022年11月22日での価格)
生産地 | 広島県 | 甘辛度 | やや辛口 |
タイプ | ドライ・ジン | 味わい | やや芳醇 |
原料 | ジュニパーベリー、レモン、ネーブル、夏みかん、ゆず、だいだい、ヒノキ、緑茶など | 香り | やや華やか |
おすすめの飲み方 | ジンライム、ジンバック | 相性のいい料理 | お好み焼き、カキフライ |
広島のクラフトメーカー「サクラオブルワリー」のジンです。サクラオさんは、ジンだけでなくウイスキーや日本酒、焼酎も製造する広島に特化したメーカーです。
広島産のレモン、ネーブル、夏みかん、ゆず、だいだい、ヒノキ、緑茶、赤しそ、しょうが9種類のボタニカルを使用し造られました。すべて広島県産というのが素晴らしいですね。
なので、料理も広島を意識しました。お好み焼きやカキフライと一緒にいただきたいです。柑橘系のボタニカルが多いので料理にも柑橘系を少し意識してレモンを少し絞ってフライを味わってください。
「まさひろジン」
¥3,300
(2022年11月22日での価格)
生産地 | 沖縄県 | 甘辛度 | やや辛口 |
タイプ | ドライ・ジン | 味わい | やや芳醇 |
原料 | ジュニパーベリー、シークワーサー、グァバ、ゴーヤ、ローゼル、ピィパーズ | 香り | やや華やか |
おすすめの飲み方 | 炭酸割り、ジントニック | 相性のいい料理 | ゴーヤチャンプル、ソーキそば |
沖縄県の糸満市にある泡盛酒造のまさひろ酒造がジンを造りました。
沖縄らしく6種類のボタニカルを選択。ジョニパーベリー、シークワーサー、グァバ、ゴーヤ、ローゼル、ピィパーズになります。ピィパーズは、あまり聞きなれない言葉ですが、アオイ科の木材の1種です。少しスパイシーな風味が特長です。
あつい南国のジンですので、炭酸割りが最高です。料理はなんでもあいそうですが、沖縄料理のゴーヤチャンプルをチョイスしました。沖縄好きにはたまらないクラフトジンとなりそうです。
全国にある国産ジンをさらにお探しの方は、是非以下をご覧ください。
ジンの美味しい飲み方
ジンに簡単に柑橘系ジュースで割ると甘みが加わり、飲みやすさがぐっと増します。
またジンジャエールやソーダで割ってスッキリ飲むのがおすすめです。ジンジャエールも甘さや炭酸のフレッシュ感が加わり、簡単で飲みやすくなり、ソーダで割ると甘さが控えめで爽快な味わいで食事には合わせやすくなります
もちろんロックで飲んでいただくのもおすすめで、ジン特有の香りをお楽しみいただけます!
また冷凍庫でキンキンに冷やしてストレートで飲むと、トロトロの飲み口がクセになりますよ~
まとめ
ボタニカルの香りが特徴的なジンですが、ジャパニーズ・クラフト・ジンは日本特有のボタニカルが多く使用されているので、日本の食文化にも合わせやすくお家でも食事と一緒にお楽しみ頂けると思います。
ソーダ割りでさっぱりと、ロックやキンキンに冷やしてストレートでゆっくりと、どんなシチュエーションでもお楽しみ頂けるので、ジンの美味しさを是非お楽しみください。
全国にある国産ジンをさらにお探しの方は、是非以下をご覧ください。