ロゼワイン3つの製法

 

赤ワインや白ワインは聞いたことあるけど、ロゼワインっていったいなに?

 

このような疑問をお持ちの方も多いかと思います。たしかに今ではファミレスやコンビニで購入できる赤ワインや白ワインとは違い、ロゼワインは気軽に見かけることは少ないので知らない方もいらっしゃるでしょう。

 

ロゼワインとは淡いピンク色やバラ色のワインのことで、赤ワインや白ワインと同様にその美しい色を楽しむことができるお酒です。

 

このページではロゼワインの製造工程や特徴を、お酒を専門とする私たちが詳しく解説していきますね。

 

最後まで読んでいただくことでロゼワインの製造工程について理解することができ、今まで以上にロゼワインを楽しむことができるようになります。

 

ロゼワインには3つの製法がある

ロゼワインには製法が3つあり、それぞれに色味や味わいの特徴があります。

  1. セニエ法
  2. 直接圧搾法
  3. 混醸法

簡単に製法の違いを言いますと

  • セニエ法→破砕した黒ブドウから自然に出てきた果汁(ブドウジュース)を発酵させる。
  • 直接圧搾法→破砕した黒ブドウをプレスした果汁を発酵させる。
  • 混醸法→黒ブドウ、白ブドウを混ぜて抽出した果汁を発酵させる。

 

この違いを理解してもらうとロゼワインの作り方や種類のことがより深く楽しめると思います。

作り方はの大半は、赤ワインや白ワインとも共通する部分はとても多いです。

 

それでは主に用いられている製法3つを詳しく解説していきますね。

 

セニエ法とは

セニエ法とはロゼワインを製造する製法で、一番多く用いられている手法です。

 

セニエという言葉はフランス語で「血抜き・しゃ血」という意味を持ち、中世ヨーロッパで一般的に行われていた医療行為です。体内に溜まった老廃物を血と一緒に抜き取っていく治療を指します。

 

セニエ法とは発酵工程の途中で果汁を少し抜きとる作業なので、似たような方法としてこの言葉がついたと言われています。

 

セニエ法を用いたロゼワインはロゼ・ダンジューやカベルネ・ダンジューといった銘柄が有名です。

 

ブドウの皮が果汁と接している時間が長いため、色合いが濃い仕上がりになっているのが特徴となっています。

 

3つの製法にいえることは、ブドウの収穫からブドウを破砕するところまでは同じだと考えてください。このあたりは、白ワインや赤ワインの作り方と基本同じですのでよろしけば下記の記事を一度チェックしてください。

 

それでは、セニエ法の流れを説明しますね!

    黒ブドウの収穫

      ↓

    黒ブドウの選定

      ↓

    黒ブドウの除梗

      ↓

    黒ブドウを潰す

      ↓

    セニエ法

     

    このような流れになります。ブドウの選定や除梗といった難しい言葉の意味はこちらのページで説明していますのでご覧ください。

     

    具体的なセニエ法とは、破砕によって潰された果実を、皮や種と一緒に8時間から48時間タンクの中で浸けておきます。

     

    そうすると黒ブドウの皮から、赤い色素が段々と染み出してきます。この工程を浸漬(マセラシオン)といい、ロゼワインに色味をつける上で重要な作業となります。

     

    浸漬(マセラシオン)によって軽く色づいた果汁をタンクから抜き取り、抜き取った果汁のみを発酵させていきます。

     

    皮をつけたまま発酵させるので、色素の強い黒ブドウは1日漬けておいただけでも真っ赤になってしまいます。

    そのため果汁を抜くタイミングが重要で、タイミングを誤ってしまうと綺麗な色をしたロゼワインはできなくなってしまいます。

     

    いかがだったでしょうか?なんとなくご理解していただけました?それでは引き続き直接圧搾法について説明してきますね。

     

    直接圧搾法とは

    直接圧搾法とは、白ワインを製造する際によく用いられている製造方法で直接圧搾法を用いて造られたロゼワインでは、ウィユ・ド・ペルドリといった銘柄が有名です。

     

    セリエ法で説明しました収穫から破砕まで同じ製造工程とご理解してくだい。

     

    そこからの違いは、破砕によって潰された果実をさらにプレスして果汁を搾り出すことです。

     

    その際に皮や種から赤の色素が染み出して、果汁が色づくのです。

     

    プレスの圧力によってしか色素とタンニンが抽出されないため、セニエ法に比べるとうっすらと薄いピンク色でタンニンが少ないのが特徴です。

     

    混醸法とは

    ブドウの種類が違うだけで、製造工程自体はセニエ法と同じです。つまり、黒ブドウを利用するセニエ法と違い、白ブドウと黒ブドウなど複数の種類のブドウを使用します。

     

    混醸法もブドウの種類が違うだけでセリエ法で説明した収穫から破砕までは同じ製造工程です。異なる種類のブドウから出た果汁を同じタンクで発酵させます。

     

    よく、出来上がった赤ワインと白ワインを混ぜ合わせて造るのが混醸法と思われている方もいらっしゃいますがこれは間違いで、発酵前の白ブドウと黒ブドウを一緒に発酵させて造る方法となります。

     

    しかし、赤ワインと白ワインを混ぜ合わせてロゼワインを作る方法は存在します。アッサンブラージュ法と言ってシャンパーニュの製造のみに適用されますが、ヨーロッパではこの製法でロゼワインを作ることは禁止されています。

     

    発酵以降の作業は白ワインや赤ワインと同じ工程

    ロゼワインは発酵までの製法に3つの製法があると説明させてもらいましたが、いかがだったでしょうか。

    発酵以降は熟成→滓引き→清澄・濾過→瓶詰は、白ワインや赤ワインと同じ作業となります。

     

    ということは、ロゼワインの3つの製法の違いは、果汁の取り方に違いがあるということなんですね。黒ブドウを漬け込んだ果汁なのか、プレスした果汁なのか、黒ブドウと白ブドウを浸漬させて抽出した果汁なのかがポイントになります。

     

    その工程の違いは、各ワイナリーのこだわりや特色になります。私たち飲む側としては、大きな製法の違いをおさえていればロゼワインの飲み方や選び方の楽しみが増えるのではないでしょうか。

     

    黒ブドウの赤色の要素を途中で取り出したロゼワイン、黒ブドウと白ブドウの原料を混ぜてピンク色になったロゼワインがあることを知っていればより楽しいワインライフが送れそうですね。

     

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